さつまいもは便秘にいい?食物繊維と、おならだけ増える理由

便秘

便秘にいいと聞いてさつまいもを食べたのに、おならばかり増えて、お腹は張ったまま。反対に、食べるようになってから出やすくなったと感じる方もいます。

さつまいもが便秘にいいと言われる理由として、よく挙げられるのが食物繊維です。

ただ、さつまいもの食物繊維は、皮つきで100gあたり2.8g。野菜のなかで特別多いわけではありません。

では、なぜ同じさつまいもを食べても、出やすくなる人と、おならや張りが先に出る人に分かれるのでしょうか。

見ておきたいのは、食物繊維の「量」だけではありません。水溶性と不溶性の違い、そしてさつまいもに多く含まれるでんぷんも関係しています。

この記事では、さつまいもの食物繊維がどういう性質なのか、皮をむくと何が変わるのか、便秘が変わる人とおならだけ増える人は何が違うのかを、順に見ていきます。

さつまいもは便秘にいい?100gあたりの食物繊維だけで判断しない

文部科学省の食品成分データベースで見ると、さつまいも(皮つき・生)の食物繊維は、可食部100gあたり2.8gです。

ごぼうは100gあたり5.7g、切り干し大根は乾燥した状態で21.3gあります。数字だけを並べると、さつまいもは食物繊維が特別多い食材ではありません。

それでも、さつまいもには取り入れやすさがあります。

中くらいのさつまいも1本を約200gとすると、食物繊維は5.6gほどになります。半分でも2.8gほどです。

ごはんやおかずを増やすのは難しくても、さつまいもなら間食や軽い一品として食べやすい方もいます。食事量が少なく、出る量も少なくなっている方にとっては、便の材料を足しやすい食材です。

つまり、さつまいもは「100gあたりの食物繊維が多いから便秘にいい」と見る食材ではありません。

食べる量を確保しやすく、食物繊維も一緒に入るところに特徴があります。

ただし、さつまいもはでんぷんも多い食材です。合う人には出やすさにつながる一方で、おならやお腹の張りが先に出る人もいます。

さつまいもは便の量を増やす方向に働きやすい

さつまいも(皮つき・生)の食物繊維は、100gあたり水溶性0.9g、不溶性1.8gです。

水溶性食物繊維は、便の水分や腸内細菌との関わりがある成分です。不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、便の量を増やす方向に働きます。

さつまいもは、水溶性も含んでいますが、数字で見ると不溶性のほうが多い食材です。

つまり、便秘対策として見るなら、さつまいもは「便をやわらかくする食材」というより、食べる量と一緒に便の材料を足しやすい食材です。

ここが、合う人と張りやすい人を分けるところです。

食事量が少なく、出る量も少なくなっている方には、さつまいもが合うことがあります。反対に、すでにお腹が張っている方や、コロコロした硬い便が続いている方は、量を増やすほど苦しく感じることがあります。

食物繊維の量だけでなく、水溶性と不溶性の違いから選びたい方に。

便秘にいい食物繊維はどっち?水溶性・不溶性の違いと自分に合う選び方

さつまいもは皮をむくと、水溶性食物繊維が減る

さつまいもは、皮をむくと食物繊維が少し減ります。

文部科学省の食品成分データベースで見ると、さつまいもは皮つきで100gあたり2.8g、皮なしで2.2gです。数字だけ見ると、大きな差ではありません。

ただ、皮を剥くと減りやすいのは水溶性食物繊維のほうです。

皮つきでは水溶性0.9g、不溶性1.8g。皮をむくと、水溶性は0.6g、不溶性は1.6gになります。

不溶性は少し減る程度ですが、水溶性は3分の1ほど減ります。

便秘対策としてさつまいもを見るなら、ここは見ておきたいところです。さつまいもは食物繊維が特別多い食材ではありません。だからこそ、皮をむいて水溶性まで減らしてしまうと、便の水分に関わる部分がさらに少なくなります。

皮が苦手でなければ、きれいにむきすぎず、洗って皮ごと食べるほうが、さつまいもの食物繊維をそのまま取り入れやすくなります。

さつまいもでおならが増えるのは、でんぷんが大腸まで届くから

さつまいもを食べると、おならが増えることがあります。

これは、食物繊維の量だけが理由ではありません。さつまいもに多く含まれる、でんぷんも関係しています。

でんぷんは、ふつう小腸で消化されます。けれど、その一部は消化されにくい形で大腸まで届くことがあります。

大腸まで届いたでんぷんは、腸内細菌に利用されます。そのときにガスが出るため、さつまいもを食べたあとに、おならが増えたり、お腹がゴロゴロしたりすることがあります。

また、さつまいもは加熱したあとに冷めると、消化されにくいでんぷんが増えることがあります。冷めた焼き芋や、作り置きのさつまいもでお腹が張りやすいと感じる方は、ここが関係しているかもしれません。

ただし、大腸まで届くでんぷんは、悪いものというわけではありません。

腸内細菌に利用されることで、便通に関わる働きにもつながります。だから、さつまいもを食べて便が出やすくなる人もいれば、その前にガスや張りが気になる人もいます。

さつまいもは、便の材料を足しやすい一方で、ガスも増えやすい食材です。ここが、合う人と張りやすい人を分けるところです。

さつまいもで便秘が変わるかは、便の量・硬さ・張り方で分かれる

さつまいもが合うかどうかは、今の便の状態によって変わります。

食べる量が少なく、出る量も少なくなっているときは、さつまいもを取り入れることで便の材料を足せることがあります。半分から1本という形で食べやすく、食物繊維も一緒に入るからです。

この場合は、さつまいもが便通のきっかけになることがあります。

一方で、すでにお腹が張っている人や、ガスが多い人は注意が必要です。

さつまいもには食物繊維だけでなく、でんぷんも多く含まれています。便の材料が増える一方で、ガスも増えやすくなるため、便より先にお腹の張りが気になることがあります。

便が硬くて出にくい場合も、さつまいもだけで変わるとは限りません。

さつまいもは、便の量を増やす方向にはたらきやすい食材です。けれど、硬さそのものを見直したいときは、水分や水溶性食物繊維のほうを先に見たほうが合うことがあります。

つまり、さつまいもは「便秘なら誰にでも合う食材」ではありません。

  • 出る量が少ないのか。
  • 便が硬いのか。
  • お腹の張りが強いのか。

ここを分けて見ると、さつまいもを増やしていい状態か、少量からにしたほうがいい状態かが分かりやすくなります。

硬い便が続いているときに、食材より先に見直したいことを整理しています。

コロコロ便が続くのはなぜ?硬い便の原因と見直したいこと

さつまいもでおならやお腹の張りが増えるときのサイン

さつまいもを食べても便通は変わらず、おならやお腹の張りばかりが増えるなら、そのまま量を増やすより、今の食べ方を見直したほうがいい状態です。

次のような状態があるときは、さつまいもを増やしても便秘が変わりにくいことがあります。

  • 食べた翌日、おならは増えるのに便は出やすくならない
  • 食べたあとにお腹が張って苦しくなる
  • 量を増やすほど、お腹の張りやゴロゴロ感が強くなる
  • もともとガスが多く、張りが続いている
  • コロコロした硬い便が続いている

この場合は、さつまいもの量を増やすより、まず量を少なめにします。

半分でも張るなら、さらに少なくする。焼き芋だけで食べているなら、水分や汁物と一緒にする。硬い便が続いているなら、さつまいもを増やすより、水分や水溶性食物繊維を先に見たほうが合うことがあります。

こうした状態が続くようなら、さつまいもの量を増やす方向では変わりにくいかもしれません。

便秘のときのさつまいもの食べ方|量・皮・水分

まずは半分くらいから始める

さつまいもは、便の材料を足しやすい一方で、おならや張りが出やすい食材でもあります。

そのため、最初から中くらいの1本を食べるより、半分くらいから始めるほうが体の反応を見やすくなります。

食べたあとに便が出やすくなるのか。おならだけ増えるのか。お腹の張りが強くなるのか。

ここを見てから量を増やすほうが、自分に合う食べ方を判断しやすくなります。

皮ごと食べるなら、泥を落とす程度に洗う

さつまいもは、皮をむくと食物繊維が少し減ります。特に減りやすいのは、水溶性食物繊維のほうです。

皮が苦手でなければ、きれいにむきすぎず、泥を落とす程度に洗って食べるほうが、さつまいもの食物繊維をそのまま取り入れやすくなります。

切り落とすのは、両端やかたい部分だけで十分です。

さつまいものように皮ごと食べる食材は、量だけでなく、どう育てられたかなど、栽培基準や続けやすさから選びたい方に。

有機野菜宅配4社を比較|栽培基準・送料・続けやすさで選ぶ

水分と一緒に食べる

さつまいもは、不溶性食物繊維も含む食材です。

不溶性食物繊維は、便の量を増やす方向に働きます。ただ、水分が少ないまま増えると、便が硬いまま動きにくく感じることがあります。

便が硬い人は、さつまいもだけを増やすより、食事のときに水分も一緒にとる形にしたほうが、便の硬さを見直しやすくなります。

焼き芋だけで食べるなら、白湯やお茶を添える。食事に入れるなら、味噌汁やスープと合わせる。

食物繊維だけを足すのではなく、水分も一緒に入る形にしておくことが大切です。

焼き芋の食物繊維は、数字だけで増えたと見ない

焼き芋や蒸したさつまいもは、生のさつまいもより、100gあたりの食物繊維量が多く見えることがあります。

これは、加熱によって食物繊維そのものが急に増えたというより、水分が抜けて、100gあたりの濃さが変わるためです。

同じ1本を焼いたからといって、体に入る食物繊維がその分だけ増えるわけではありません。

便秘対策として見るなら、「焼き芋だから食物繊維が多い」と考えるより、どのくらいの量を食べるか、皮ごと食べるか、水分を一緒にとれているかを見たほうが判断しやすくなります。

さつまいもで便秘が変わらないときは、果物や海藻も一緒に入れる

さつまいもを食べても便秘が変わらないときは、さつまいもだけで何とかしようとしないほうが見直しやすくなります。

さつまいもは、食べる量を確保しやすく、食物繊維も一緒に入る食材です。ただ、さつまいもだけでは水分や水溶性食物繊維が足りないことがあります。

その場合は、さつまいもを食べながら、別の食材も少し足します。

たとえば、果物ならキウイやプルーン。海藻なら、わかめ、ひじき、寒天。野菜なら、ごぼうのように水溶性食物繊維を含むものもあります。

焼き芋だけで終わらせるより、果物を少し添える。食事の中で食べるなら、味噌汁やスープに海藻を入れる。ごぼうの入った汁物と組み合わせる。

そうすると、さつまいもで便の材料を足しながら、水分や水溶性食物繊維も一緒に入れやすくなります。

さつまいもで変わらないときは、量を増やすことだけで考えない。

さつまいもを食べるなら、何を一緒に入れるか。そこを見ると、便の硬さや出しやすさを見直しやすくなります。

こんな状態なら、医療機関に相談してください

さつまいもの食べ方を変えるより、先に医療機関へ相談したほうがいい状態もあります。

  • 便に血が混じる
  • 便通が急に変わり、その状態が続いている
  • 理由なく体重が減ってきた
  • 強い腹痛がある
  • 便秘に加えて、嘔吐や強いお腹の張りがある
  • 便秘が続き、日常生活にも支障が出ている

とくに、強い腹痛や嘔吐、お腹の張りが強く、便やおならも出ないときは、食べ物で様子を見続けないでください。

便秘が続くと、「もう少し食物繊維を増やせば出るかも」と考えやすくなります。

でも、血便や急な便通の変化、体重減少などがある場合は、食事以外の原因も確認したほうがいい状態です。

受診の目安や、病院で何を伝えればいいかはこちらで整理しています。

便秘で病院に行く目安|血便・腹痛・便が細いときに考えたいこと

まとめ|さつまいもを便秘対策に上手に取り入れるには

さつまいもは、食物繊維が特別多い食材ではありません。それでも、間食や一品としてまとまった量を食べやすく、食事量が少ないときには便の材料を足しやすいところがあります。

ただ、便秘なら誰にでも同じように合うわけではありません。

食べたあとに便の量が増えて出やすくなるなら、そのまま取り入れやすい食材です。反対に、おならやお腹の張りばかり増えるなら、さつまいもだけを増やしても変わりにくいことがあります。便が硬いままなら、水分や水溶性食物繊維も一緒に見たいところです。

皮が苦手でなければ皮ごと食べ、最初は半分ほどから。さつまいもだけで変わらないときは、ごぼうや海藻、キウイ、プルーンなど、別の食材も組み合わせていきます。

大切なのは、「さつまいもは便秘にいい」と決めて食べ続けることではありません。

食べたあとに変わったのが、便の量なのか、硬さなのか、それともおならや張りなのか。そこを見ると、次に何を足せばいいかが分かりやすくなります。

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二度の入院で、食べられない時期を経験しました。だから、量を増やすことをすすめない記事を書いています。

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