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糖質制限を始めてから、お通じが出にくくなった。そんな経験はありませんか。
「食べる量が減ったから出ないのだろう」と考える方は多いのですが、量は前と変わっていないのに出にくくなることがあります。むしろ、肉や卵が増えて、食べる量は前より多いという場合もあります。
糖質制限で便秘が起きやすくなるのは、量ではなく、減らしたものの中身が理由です。ごはんや芋、果物には、便の水分を保つ側の食物繊維や、腸内細菌のエサになる成分が含まれています。
この記事では、糖質制限で便秘になる理由と、便が硬くなる人と便意が減る人の違い、そして糖質を抑えたまま足せるものを、順に見ていきます。
糖質制限で便秘になる3つの理由
ごはん・パン・麺・芋・果物を控えると、便通に関わる変化が3つ起きやすくなります。
主食を減らすと、水溶性食物繊維も減りやすい
食物繊維には、大きく分けて2つの種類があります。
水に溶ける水溶性食物繊維は、便の水分を保つ方向に働きます。水に溶けにくい不溶性食物繊維は、便のかさを増やす方向に働きます。
糖質制限でごはん、芋、果物などを控えると、そこから取れていた水溶性食物繊維も減りやすくなります。
このとき、キャベツやレタスなどの生野菜を増やして補おうとすると、不溶性食物繊維ばかりが増えることがあります。かさは増えても水分を保つ側が足りないと、便が硬くなったり、お腹が張って苦しく感じたりすることがあります。
食物繊維の2つの種類をもう少し詳しく知りたい方に。→ 便秘にいい食物繊維はどっち?水溶性・不溶性の違いと自分に合う選び方
糖質制限を始めた時期は、水分も抜けやすい
糖質は、体の中でグリコーゲンという形で肝臓や筋肉に蓄えられます。
このグリコーゲンは、水分と一緒に蓄えられています。そのため、糖質を減らすとグリコーゲンが減り、体の水分も一緒に抜けやすくなります。
糖質制限を始めたばかりの時期に、体重がすっと落ちることがあります。これは脂肪だけが減ったというより、体の水分が抜けている影響もあります。
この時期に、それまでと同じ量しか水分を取っていないと、体にとっては足りなくなることがあります。水溶性食物繊維も減っていると、便の水分を保ちにくくなり、便が硬くなりやすくなります。
糖質制限で、腸内細菌のエサになるものも減りやすい
水溶性食物繊維やオリゴ糖は、腸内細菌のエサになります。
糖質制限でごはん、芋、果物、豆類などを控えると、糖質だけでなく、こうした腸内細菌のエサになるものも一緒に減りやすくなります。
この状態で、肉や卵、チーズなどが中心の食事になると、食事全体のバランスが変わります。便が硬くなって腸に長くとどまると、お腹の張りやガスを感じやすくなることもあります。
糖質を減らすことだけを見るのではなく、減らした分、何が抜けているかを見ることが大切です。
糖質制限の便秘は、便が硬い人と便意が減る人で見直し方が変わる
糖質制限を始めてから出にくくなったとき、起きていることは同じではありません。大きく分けると、便が硬くなっている場合と、便意そのものが減っている場合があります。
便が硬くなっている場合は、水溶性食物繊維と水分が減ったことが関係していることがあります。
便意はあるのに、出すのがつらい。コロコロした便が出る。トイレに座る時間が長くなる。このようなときは、まず水分と水溶性食物繊維を戻す方向で見ていきます。
一方で、便意そのものが減っている場合は、食べる量が減っていることが関係していることがあります。
主食を抜いた分、1食の量も軽くなっている。食事の回数が減っている。空腹の時間が長くなっている。このようなときは、水溶性食物繊維を足すより先に、食べる量や食事の回数を見直すほうが合うことがあります。
同じ「糖質制限で出にくくなった」でも、便が硬いのか、便意が減っているのかで、最初に見るところが変わります。
食べる量そのものが減っている方は、こちらの記事でも詳しく整理しています。→ 食事量を減らしたら便秘になるのはなぜ?腸を止めない食べ方
便が硬いタイプか、便意が減るタイプかを見分ける
糖質制限を始めてから出にくくなったときは、最初に「便が硬くなっているのか」「便意そのものが減っているのか」を見ます。
- 便意はある。
- けれど、出すのに時間がかかる。
- コロコロした便が出る。
- 出てもすっきりしない。
この場合は、便が硬くなっているほうに近いです。
主食を減らしたことで、水溶性食物繊維や水分が足りなくなっている可能性があります。食べる量が減っていないのに便だけ硬くなったなら、まず見るのは「量」よりも「減らした中身」です。
反対に、便意そのものが来にくくなった場合は、食べる量や食事の回数が減っていることがあります。
- 主食を抜いた分、1食が軽くなった。
- 1日2食になった。
- 空腹の時間が長くなった。
こういうときは、腸が動くきっかけそのものが少なくなっているかもしれません。
この場合は、水溶性食物繊維を足す前に、食べる量や食事の回数が減りすぎていないかを見るほうが合うことがあります。
同じ「糖質制限で出にくくなった」でも、便が硬いのか、便意が減っているのかで、最初に見るところが変わります。
コロコロした硬い便が続いている方は、こちらの記事でも詳しく整理しています。→ コロコロ便が続くのはなぜ?硬い便の原因と見直したいこと
糖質制限中に足せる食材は?海藻・きのこ・アボカド
糖質制限中は、減らすものに意識が向きやすくなります。
でも、便秘が気になるときは「何を減らすか」だけでなく、「減った分を何で補うか」も見ておきたいところです。
ここでは、糖質を抑えながら食物繊維を足しやすい食材として、海藻、きのこ、アボカドを見ていきます。
糖質を抑えながら、海藻で水溶性食物繊維を足す
わかめ、ひじき、寒天などの海藻は、糖質を抑えながら食物繊維を足しやすい食材です。
糖質制限でごはんや芋、果物を減らすと、便の水分を保つ側の食物繊維も減りやすくなります。海藻は、その抜けた部分を補う候補になります。
たくさん足す必要はありません。
朝の味噌汁に乾燥わかめをひとつまみ入れる。ひじきを小鉢で少し添える。まずはそのくらいからで十分です。
ただし、海藻を増やすとお腹が張る人もいます。その場合は量を増やすより、汁物に入れる、少量から始める、よく噛んで食べるところから見ていきます。
海藻の量の目安や、張りやすいときの食べ方はこちらに整理しています。→ ひじきは便秘にいい?食物繊維と腸にやさしい食べ方を整理
きのこで、1食の満足感を戻す
しめじ、舞茸、えのきなどのきのこは、糖質を抑えながら食物繊維を足しやすい食材です。
糖質制限でごはんや麺を減らすと、1食の量が軽くなりやすくなります。食べたつもりでも満足感が少なく、結果として食事全体の量が減ってしまうことがあります。
そのときに、きのこをスープや炒め物に加えると、主食を増やさなくても食事の量を戻しやすくなります。
たとえば、
- 味噌汁にえのきを入れる。
- 炒め物にしめじを足す。
- 肉や卵だけで終わらせず、きのこを一緒に入れる。
それだけでも、糖質を抑えたまま、食事の中に「噛むもの」と「量」を足せます。
アボカドで、食物繊維と満足感を足す
アボカドは、糖質を抑えながら食物繊維を足しやすい食材です。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含むため、糖質制限で主食や果物を減らしているときの選択肢になります。
もうひとつ見ておきたいのは、満足感です。
主食を減らすと、食事全体が軽くなりやすくなります。アボカドは脂質を含むため、サラダに少し加えたり、卵と合わせたりすると、糖質を抑えたまま食事の物足りなさを補いやすくなります。
ただし、脂質が多い食材なので、たくさん食べればいいわけではありません。
まずは1/2個くらいを目安にして、ほかの食事とのバランスを見ながら使うくらいが続けやすいです。
水分は、コーヒーやお茶とは別に足す
糖質制限を始めた時期は、体の水分が抜けやすくなります。
そのため、飲み物をいつも通りにしているつもりでも、便の水分を保ちにくくなることがあります。
コーヒーや緑茶をよく飲む方は、それだけで水分を取ったつもりになりやすいかもしれません。カフェインを含む飲み物ばかりになると、体にとって十分な水分になっていないことがあります。
水をたくさん飲もうとするより、まずは間に挟む形で考えると続けやすくなります。
朝に常温の水か白湯を一杯。食事のときに一杯。午後に一杯。
それに加えて、味噌汁やスープを一品入れると、食事の中でも水分を補いやすくなります。
食事で足しにくいときは、水溶性食物繊維を補う方法もあります
糖質制限でごはん、パン、麺、芋、果物などを控えると、そこから取れていた水溶性食物繊維も減りやすくなります。
本来は、海藻やきのこ、汁物など、食事の中で少しずつ足していくのが基本です。
ただ、毎日献立を整えるのが難しい時期もあります。糖質を抑えたまま、水溶性食物繊維をどう足すかで迷うこともあります。
その場合は、飲み物や汁物に混ぜて補う方法もあります。
「飲むグアーガム リフリーラ」は、水溶性食物繊維であるグアーガム分解物を含む機能性表示食品です。
1回分ずつ使える粉末タイプなので、いま飲んでいるものや汁物に足す形で使えます。献立を大きく組み替えずに、水溶性食物繊維を補いたいときの選択肢になります。
ただし、お腹が張りやすい方は、最初から目安量どおりに増やさず、少量から様子を見るほうが安心です。食物繊維は、急に増やすと張りにつながることがあります。
便秘対策として見ても、これだけで変わるわけではありません。水分、食事全体の量、食物繊維の種類が整っていて、そのうえで足りない分を補うものとして考えるほうが自然です。
足しても変わらないときは、ごはんや芋を少し戻すことも考える
海藻、きのこ、アボカド、水分を足しても変わらないときは、足すだけでは追いついていないのかもしれません。
糖質制限をしていると、ごはんや芋を戻すことに抵抗が出ることがあります。
でも、便秘が続いているなら、糖質をできるだけ避けることより、便通が崩れない量を探すほうが大切です。
ごはんを少しだけ戻す。味噌汁に芋を少し入れる。主食を完全に抜く日を減らす。
それだけでも、体に入る水溶性食物繊維や水分の流れが変わることがあります。
糖質を減らすことが悪いわけではありません。大切なのは、減らしたあとに便通が崩れていないかを見ることです。
食事を大きく変えること自体が難しい時期なら、食事以外から整える方法もあります。
→ 食事を変えない人の便秘対策|忙しい生活でもできる現実的な整え方
こんな状態なら、医療機関に相談してください
次のような状態があるときは、食べ方の工夫より、受診を優先してください。
- 便秘が長く続いている
- 便に血が混じる、黒っぽい便が出る
- 強い腹痛がある
- 便が急に細くなった、便通が急に変わった
- 体重が理由なく減ってきた
ひとつでも当てはまるなら、食材で様子を見続けず、一度医療機関に相談してください。
何科に行くか、どう伝えるかを整理したい方に。
→ 便秘で病院に行く目安|何科を受診する?受診の判断と伝え方
まとめ|糖質制限の便秘は、減った量だけで考えない
糖質制限で便秘になるのは、食べる量が減ったことだけが原因とは限りません。
ごはんや芋、果物などを減らすと、そこから取れていた水溶性食物繊維や、腸内細菌のエサになるものも一緒に減りやすくなります。さらに、糖質制限を始めたばかりの時期は、体の水分も抜けやすくなることがあります。
だから、食べる量は変わっていないのに、便が硬くなったり、出にくくなったりすることがあります。
便意はあるのに出しにくいなら、水分と水溶性食物繊維を足すことから考えます。味噌汁にわかめを少し入れる。水をコーヒーやお茶とは別に一杯飲む。まずはそのあたりが始めやすいです。
反対に、便意そのものが減っているなら、食物繊維を足す前に、食事量や食事の回数が減りすぎていないかを見ます。主食を完全に抜いているなら、ごはんや芋を少し戻す日を作るほうが合うこともあります。
糖質制限中の便秘は、「何を足すか」だけでなく、「何を減らしすぎたか」も一緒に見ることが大切です。
今の出にくさが、硬い便によるものなのか、便意そのものの少なさによるものなのか。まずは、そこを分けて考えるところから始めてみてください。
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