ごぼうは、食物繊維の多い野菜としてよく名前が挙がります。便秘が気になって、きんぴらや煮物で取り入れている方もいると思います。
食物繊維が多い野菜なら、多く食べるほど出やすくなる。そう受け取られがちですが、量と結果はきれいに比例しません。
ごぼうは、食物繊維の内訳が野菜のなかでもよくできた野菜です。ただし、増やしたときに張って苦しくなる人がいます。
この記事では、ごぼうの食物繊維がどういう内訳なのか、整う人と張る人で何が違うのか、どのくらいの量から始めるとよいのかを、順に見ていきます。
ごぼうは便秘にいい?食物繊維の量と水溶性・不溶性の違い
ごぼうの食物繊維は100gあたり5.7g|水溶性も多め
ごぼうの食物繊維は、可食部100gあたり水溶性2.3g、不溶性3.4g、合わせて5.7gです。
便秘対策で食物繊維を見るときは、合計量だけでなく、水溶性と不溶性の割合も見ておきたいところです。
| 野菜(100gあたり) | 水溶性 | 不溶性 | 総量 |
|---|---|---|---|
| 切り干し大根(乾) | 5.2g | 16.1g | 21.3g |
| ごぼう | 2.3g | 3.4g | 5.7g |
| ブロッコリー | 0.9g | 4.3g | 5.1g |
| さつまいも(皮つき) | 0.9g | 1.8g | 2.8g |
| にんじん | 0.7g | 2.1g | 2.8g |
| キャベツ | 0.4g | 1.4g | 1.8g |
切り干し大根は乾物なので、野菜そのものとは単純に比べられません。ただ、食物繊維が多い食材としてよく名前が挙がります。
一方で、ごぼうは総量だけを見ると切り干し大根ほど多くありません。それでも、身近な野菜の中では水溶性食物繊維が多めです。
水溶性食物繊維は、便の水分や腸内細菌との関わりがある成分です。不溶性食物繊維は、便のかさを増やす方向に働きます。
ごぼうはこの両方を含むため、便秘対策で食物繊維を見直したいときに、候補にしやすい野菜です。
水溶性と不溶性では、腸でのはたらきが違います。その違いを先に整理しておきたい方に。→ 便秘にいい食物繊維はどっち?水溶性・不溶性の違いと自分に合う選び方
ごぼうの水溶性食物繊維イヌリンは、腸内細菌のエサになる
ごぼうに含まれる水溶性食物繊維のひとつが、イヌリンです。
イヌリンは、腸内細菌のエサになりやすい食物繊維です。腸内細菌がイヌリンを使うと、腸内環境に関わる物質が作られます。
つまり、ごぼうは「便のかさを増やすだけ」の野菜ではありません。腸内細菌のエサになる水溶性食物繊維を含んでいることが、ごぼうの特徴です。
ただし、腸内細菌がイヌリンを使う過程では、ガスも発生します。
ここが、ごぼうで調子が整う人と、お腹が張って苦しくなる人の分かれ道になります。
ごぼうの不溶性食物繊維は、便の量を増やす方向に働く
ごぼうには、水溶性食物繊維だけでなく、不溶性食物繊維も含まれています。
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい食物繊維です。腸の中で水分を含みながら、便の量を増やす方向に働きます。
便の材料が少ない人にとっては、便の量を作る助けになります。
一方で、すでにお腹が張っている人や、硬い便が腸に残っている人では、かさが増えることで苦しく感じることがあります。
ごぼうは水溶性も不溶性も含む野菜ですが、どちらも「増やせばよい」とは言えません。今の便の状態によって、合いやすい人と、少しずつにしたい人に分かれます。
ごぼうでお腹が張る人がいるのは、イヌリンが発酵しやすいから

ごぼうには、イヌリンという水溶性食物繊維が含まれています。
イヌリンは、小腸で消化されにくく、大腸まで届いて腸内細菌に利用されます。ここが、ごぼうの特徴です。
ただし、腸内細菌がイヌリンを利用するときには、ガスも発生します。
そのため、ごぼうを食べると便通が整いやすい人がいる一方で、先にお腹の張りやゴロゴロ感が出る人もいます。
とくに、もともとお腹が張りやすい人、豆類や玉ねぎ、きのこでガスが増えやすい人は、ごぼうを急に増やすと苦しく感じることがあります。
ごぼうが悪いわけではありません。合わないと決める前に、まずは量を少なくして、張りが出るかを見たほうが判断しやすくなります。
お腹の張りと便秘が同時に気になる方は、こちらで整理しています。
→ お腹が張るのに便が出ないのはなぜ?ガスと便秘が一緒に起きる理由
ごぼうが合いやすい便秘と、お腹が張りやすい便秘
ごぼうを便秘対策で食べるときは、食物繊維の量だけで判断しないほうがいいです。
見たいのは、今の便が硬いのか、お腹の張りが強いのか、食べたあとにガスが増えやすいのかです。
ごぼうが合いやすい状態
- 野菜、海藻、きのこなどをあまり食べていない
- 便は硬すぎないのに、出しきれない感じがある
- 食後にお腹が張る感じはあまりない
- 豆類、玉ねぎ、きのこを食べても苦しくなりにくい
ごぼうを少量からにしたい状態
- 食べたあとにガスが増えやすい
- お腹がゴロゴロ鳴りやすい
- 玉ねぎ、豆類、きのこでもお腹が張りやすい
- コロコロした硬い便が続いている
- お腹の張りがいちばんつらい
お腹の張りが強いときは、ごぼうをたくさん食べればよいとは言えません。イヌリンや不溶性食物繊維が増えることで、便より先にガスや張りが気になることがあります。
硬い便が続いている方は、ごぼうを増やす前に見ておきたい原因があります。。
ごぼうを便秘対策で食べるときの量・下処理・食べ方
ごぼうはまず1食50gほどから始める
きんぴら1人分に使うごぼうは、50gほどです。食物繊維にすると、およそ2.9gです。
ごぼうは、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も含む野菜です。ただ、張りやすい人が急に量を増やすと、便通より先にお腹の苦しさが出ることがあります。
いきなり1本使い切るより、まずは1食50gほどを目安にします。
数日食べてみて、お腹が張るか、ガスが増えるか、便の硬さや出しやすさが変わるかを見るほうが、自分に合う量を判断しやすくなります。
ごぼうの皮はむきすぎず、泥を落とす程度にする
ごぼうは、皮の近くに香りとうまみがあります。JAグループも、たわしなどでこすって洗い、包丁で表面をこそげ落とす程度にすることをすすめています。
きれいに皮をむきすぎるより、泥を落とす程度にして使うほうが、ごぼうらしい香りを残しやすくなります。
ごぼうのように皮まで食べる野菜が増えてくると、その野菜がどう育てられたかまで見たくなることがあります。栽培基準や続けやすさから選びたい方に。
→ 有機野菜宅配4社を比較|栽培基準・送料・続けやすさで選ぶ
ごぼうは水にさらしすぎない
ごぼうに含まれるイヌリンは、水に溶ける食物繊維です。
切ったあとに長く水へさらし続けると、水溶性の成分が水のほうへ出やすくなります。
アクが気になるときは、短時間だけ水にさらします。切ったそばから水に落として、そのまま長く放置しないことが大切です。
便秘対策としてごぼうを食べるなら、下処理で水溶性食物繊維を落としすぎないようにしたいところです。
ごぼうは汁物に入れると水分も一緒にとれる
豚汁、味噌汁、けんちん汁のように、汁ごと食べる料理にすると、ごぼうを無理なく取り入れやすくなります。
水溶性の成分が煮汁に出ても、汁ごと食べれば一緒にとれます。
きんぴらのように水分の少ない料理が続くときは、汁物と組み合わせると、水分も同時にとれます。
便が硬い人は、食物繊維だけを増やしても変わりにくいことがあります。汁物のように水分も一緒に入る形にすると、便の硬さを見直しやすくなります。
ごぼうで便秘が変わらないときは、水分と生活の動きも見る
ごぼう1本はおよそ150gです。ただし、実際に食べる部分で考えると、食物繊維は7〜8gほどです。
1日の食物繊維の目標量は、18〜64歳の女性で18g以上、30〜64歳の男性で22g以上です。ごぼうを1本食べたとしても、それだけで1日分を満たせるわけではありません。
ごぼうは、食物繊維を足す候補にはなります。
ただ、便秘は食物繊維だけで決まるものではありません。水分が少ないまま食物繊維を増やすと、便が硬いまま動きにくくなることがあります。体を動かす時間が少ない日が続くと、腸の動きも鈍くなりやすくなります。便意を何度も後回しにしていると、出したい感覚そのものが弱くなることもあります。
ごぼうを食べても変わらないときは、量を増やす前に、まず水分と食べ方を見直します。
きんぴらだけで食べているなら、味噌汁や豚汁のように水分も一緒に入る形にする。食後に座りっぱなしなら、少し立つ時間を作る。朝に便意が来ても我慢しやすいなら、朝食後にトイレへ行く時間を少しだけ残しておく。
ごぼうを増やすことより、便が動きやすい条件をそろえることが先です。
こんな状態なら、医療機関に相談してください
- 便秘が長く続いていて苦しい
- 便に血が混じる
- 強い腹痛がある
- 便が急に細くなった、便通が急に変わった
- 理由なく体重が減ってきた
ひとつでも当てはまるなら、食べ物で様子を見続けず、一度相談してください。何科に行くか、どう伝えるかは、こちらで整理しています。
→ 便秘で病院に行く目安|血便・腹痛・便が細いときに考えたいこと
まとめ|ごぼうは食物繊維の量だけでなく、水溶性と不溶性のバランスを見る
ごぼうの食物繊維は、100gあたり5.7gです。総量だけを見ると、切り干し大根のようにもっと多い食材もあります。
ただ、ごぼうは水溶性2.3g、不溶性3.4gを含んでいます。便秘対策で見るなら、食物繊維の合計量だけでなく、水溶性と不溶性がどちらも入っていることが特徴です。
一方で、水溶性食物繊維のひとつであるイヌリンは、腸内細菌に利用されやすい成分です。その過程でガスが出るため、ごぼうを食べて便通が整いやすい人もいれば、お腹の張りが先に出る人もいます。
なので、ごぼうは「たくさん食べればよい野菜」ではありません。
まずは1食50gほどから。お腹が張るか、ガスが増えるか、便の硬さや出しやすさが変わるかを見ながら、自分に合う量を探すほうが続けやすくなります。
皮はむきすぎず、水にさらしすぎず、できれば汁物のように水分も一緒にとれる形にする。
ごぼうを便秘対策で取り入れるなら、量を増やす前に、今の便の状態とお腹の張り方を見ながら使うことが大切です。
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