甘酒で便秘は変わる?米麹と酒粕の違い・飲み方の目安

便秘

「飲む点滴」「腸にいい」とよく聞く甘酒。便秘が気になっていると、一度は試してみようかと考えたことがあるかもしれません。

でも、甘いものを毎日飲むことには少し迷いもあるし、そもそも本当に便秘に効くのか、はっきりしないまま続けるのは不安、という方も多いと思います。

結論から言うと、甘酒と便秘の関係には、日本でいくつかの研究があります。「絶対に効く」と言い切れるほどではありませんが、「なぜ腸にいいと言われるのか」には、いくつか考えられている理由があります。

この記事では、甘酒が便秘にどう関わるのか、研究でわかっていること、米麹甘酒と酒粕甘酒の違い、続けやすい量や飲み方、注意したい点までを、ひとつずつ整理していきます。


甘酒は本当に便秘にいいの?|研究でわかっていること

まず気になるのは、「実際の研究ではどうなのか」というところだと思います。

甘酒と便秘を調べた研究は、日本でいくつか報告されています。

ある試験では、排便の回数が週に2〜5日ほどの成人を対象に、麹甘酒とプラセボ(甘酒に見せかけた飲み物)を比べました。麹甘酒を3週間毎日飲んだグループでは、1週間あたりの排便日数や排便回数がよくなった、という結果が報告されています。

別の研究では、女子大生を対象に、2週間にわたって1日150mLの甘酒を飲んでもらいました。その結果、甘酒を飲んだグループでは排便の頻度がよくなり、便秘の状態を測る指標も改善した、という報告があります。

ただし、これらの研究はまだ数が限られていて、参加した人数も少なめです。飲料メーカーが関わった研究も多く、「甘酒さえ飲めば便秘が治る」と言えるほどの段階ではありません。「便秘が気になる方が、生活全体の中で検討できる選択肢のひとつ」という受け止め方が現実的です。


なぜ甘酒は便秘にいいと言われるのか|考えられている理由

ここからは少し詳しい話になりますが、「なぜ甘酒が腸にいいの?」という疑問に、できるだけわかりやすく答えていきます。

その前に、ひとつ大事な前提があります。甘酒には、大きく分けて2つの種類があるということです。

ひとつは、米と米麹から作る米麹甘酒。もうひとつは、日本酒を作る過程でできる酒粕から作る酒粕甘酒です。原料が違うので、含まれる成分も少し変わってきます。このあとの「種類の選び方」でもう一度ふれますが、まずは「2種類ある」とだけ覚えておいてください。

甘酒が便秘に関わると考えられている理由は、いくつかあります。

① 発酵による腸内環境への関わり

甘酒は発酵食品です。発酵の過程でできる成分が、腸内の環境に関わると考えられています。

実際に、米麹甘酒を続けて飲むことで、便秘の症状がやわらいだり、腸内細菌のバランスに変化がみられたりした研究もあります。ただし、少人数の試験や、比べる対照グループのない研究も含まれるため、腸内環境の変化がそのまま便秘の改善につながると言い切れるところまでは、まだきていません。「そう考えられている」という受け止め方をしてください。

② オリゴ糖を含んでいる

甘酒には、発酵の過程で生まれるオリゴ糖などが含まれることがあります。オリゴ糖は、腸の中で善玉菌のエサになる成分です。善玉菌が働くための材料を補える、という面があります。ただし、含まれる量や成分は、原料や製法によって違いがあります。

③ 水分や栄養を一緒にとれる

少し素朴な話ですが、甘酒は飲み物なので、水分を一緒にとれることも特徴です。ただし、食物繊維が多い飲み物ではないため、便秘対策の中心にするというより、毎日の習慣にしやすい補助のひとつとして考えるのが現実的です。


米麹甘酒と酒粕甘酒、どちらを選ぶ?

さきほどふれた2種類の甘酒、便秘のために続けるなら、どちらを選ぶとよいのでしょうか。

いちばん大きな違いは、アルコールと砂糖です。

米麹甘酒は、米と米麹を発酵させて作るので、お米の自然な甘さがあり、アルコールは含まれません。砂糖を加えていないものも多くあります。

酒粕甘酒は、酒粕を溶かして作るため、わずかにアルコールを含みます。また、酒粕自体には甘みがないので、市販品では砂糖を加えて甘みを整えているものが多く見られます。

毎日続けることを考えると、アルコールを気にせず飲める米麹甘酒のほうが、選びやすいといえます。

米麹甘酒を選ぶなら、こんな人

  • お酒を飲めない、または運転や仕事でアルコールを避けたい人
  • 砂糖の追加をできるだけ控えたい人
  • 毎日の習慣として無理なく続けたい人

酒粕甘酒が悪いというわけではありませんが、アルコールを含む点や砂糖が加えられている点から、運転前や、妊娠中・授乳中の方、お子さんには向きません。飲む場面や体調にあわせて選んでみてください。


どのくらいの量を、どう飲めばいい?

種類が決まったところで、実際の取り入れ方を見ていきます。

量は「まずは100〜150mL」を目安に

研究で使われている量には幅があり、1日150mL前後のものもあれば、もう少し多いものもあります。きれいに揃っているわけではありません。家庭で試すなら、まずは100〜150mLほど、コップに軽く半分から1杯くらいを目安にするとよいです。

ただし、いきなり多く飲む必要はありません。最初は少量から始めて、お腹の様子を見ながら調整していくのが安心です。

いつ飲む?

決まった正解はありません。朝の1杯として取り入れる方もいますし、間食の代わりに飲む方もいます。続けやすいタイミングを選んでみてください。

そのまま?割る?

甘酒はそのまま飲んでも大丈夫ですし、好みで割っても大丈夫です。迷うときのために、いくつか挙げておきます。

  • 水やお湯で少し薄める
  • 豆乳や牛乳で割る
  • 温めても、冷やしても

毎日のことなので、「無理なく続けられるかどうか」がいちばん大切です。自分が続けやすい飲み方を見つけてみてください。


続けやすい甘酒を選ぶなら

ここまで読んで、「では実際にどの甘酒を選べばいいのか」と思った方もいるかもしれません。

毎日続けることを考えると、米麹甘酒で、原料がシンプルなもの、容量や飲みきりやすさが自分の生活に合うものが選びやすくなります。研究で使われているような、米麹を使った甘酒を候補にするのもひとつの方法です。

風味や濃さ、糖質量を重視したい方は、次のような商品を候補に入れやすいでしょう。

古町糀製造所 糀甘酒 糀プレーン(お試し2本セット) 米と米麹だけで作られた、砂糖不使用・ノンアルコールの糀甘酒です。アルコールを含まないので、毎日の習慣として取り入れやすいタイプです。原料のシンプルさや、続けやすさを重視したい方は、候補に入れやすい商品です。まずは2本のお試しセットから始められます。

前田家 無添加 玄米甘酒(濃縮スティックタイプ) 岡山県産の玄米と玄米麹だけで作った、砂糖不使用・ノンアルコールの甘酒です。白米ではなく玄米を使っているのが特徴で、濃縮タイプなので、水や豆乳で割ったり、そのまま少しずつ食べたりと、量や濃さを自分で調整できます。個包装なので、少しずつ試したい方は候補に入れやすい商品です。

味や濃さの好みは人それぞれなので、まずは少量のものから試して、自分に合うものを見つけていくのがよいと思います。


飲むときに気をつけたいこと

甘酒は食品なので、薬のような強い心配は少ないですが、いくつか知っておきたい点があります。

糖質は高め

甘酒は、砂糖を加えていないものでも、お米由来の糖質を含みます。体にやさしいイメージがありますが、飲み物としては甘く、カロリーもそれなりにあります。便秘のためにと量を増やしすぎると、全体のカロリーや糖質が増えて、体重や血糖に影響することもあります。「たくさん飲めば効く」ものではないので、適量を意識してください。

酒粕甘酒のアルコール

酒粕から作る甘酒には、わずかにアルコールが含まれます。運転前の方、妊娠中・授乳中の方、お子さんは、米麹甘酒を選ぶか、酒粕甘酒は避けてください。

糖質の管理が必要な方

糖尿病などで糖質を管理している方は、自己判断で習慣にする前に、医師や管理栄養士に相談すると安心です。

赤ちゃんには

甘酒を赤ちゃんの便秘対策として自己判断で飲ませることは、一般的な方法ではありません。赤ちゃんの便秘が気になるときは、小児科に相談してください。


甘酒だけに頼らない

ここまで甘酒の話をしてきましたが、ひとつ大切なことをお伝えしておきます。

便秘の原因は、ひとつではありません。水分が足りていない、体を動かす時間が少ない、食事のリズムが乱れている。こうした要因が、いくつも重なっていることがよくあります。

甘酒は、あくまで「腸の調子を整える手助け」のひとつです。これだけで全部が解決するわけではないので、生活全体のなかの、ひとつの選択肢として取り入れるのが現実的です。

食物繊維の取り方を整理したい方は、便秘にいい食物繊維はどっち?水溶性・不溶性の違いと自分に合う選び方もあわせて読んでみてください。同じ発酵食品の話では、便秘にヨーグルトは効く?合う人と変わらない人の違いで、合う人と合わない人の違いを整理しています。食事をなかなか変えられない忙しい方は、食事を変えられない人の便秘対策で、無理のない整え方をまとめています。


こんな状態なら、医療機関に相談してください

甘酒を試す前に、知っておいてほしいことがあります。次のような状態があるときは、自己流のケアより、受診を優先してください。

  • 便秘が長く続いている
  • 便に血が混じる
  • 強い腹痛がある
  • 便が急に細くなった、便通が急に変わった
  • 体重が理由なく減ってきた

ひとつでも当てはまるなら、甘酒などで様子を見続けず、一度医療機関に相談してください。受診の目安については、便秘で病院に行く目安で、何科に行くか、伝え方まで整理しています。


まとめ|甘酒は「続けやすい選択肢のひとつ」として

甘酒と便秘の関係について、整理してきました。

  • 甘酒には、排便の回数や状態の改善を示した研究がいくつかある
  • 理由としては、発酵による腸内環境への関わり、オリゴ糖などの成分、水分や栄養を一緒にとれることが考えられている
  • 毎日続けるなら、アルコールを含まない米麹甘酒が選びやすい
  • 量は1日100〜150mLほどを目安に、まずは少量から
  • 糖質は高めなので、飲みすぎには気をつける

「これだけで便秘が改善する」と言い切れるものではありませんが、無理なく続けられる、身近な選択肢のひとつです。

まずは少量から、自分のお腹の様子を見ながら、無理なく試してみてください。合わないと感じたら、続ける必要はありません。自分の体に合うものを、少しずつ見つけていきましょう。


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