こんにちは、「ナチュラルヘルスカフェ」へようこそ。
子どもの便秘が続くと、親はある場所で立ち止まります。
「野菜を食べない。好き嫌いが多い。だから、この子はずっと便秘なんじゃないか」
そう考えてしまうのは自然なことです。そして気づけば、食卓が“戦う場所”になっている。
でも、好き嫌いが多いことと、便秘が治らないことは、イコールではありません。
なぜなら、便秘は「野菜を食べないこと」だけが原因ではないからです。
この記事では、
・便が止まる仕組み
・食事で整えられるポイント
・好き嫌いが多い子への現実的な考え方
を順番に整理していきます。

便秘は「食べないから」ではなく「回らないから」起きる
子どもの便秘(機能性便秘)は珍しいものではありません。学童期では、およそ5〜10%にみられると報告されています。
便秘は、単純な野菜不足ではありません。
便が出るかどうかは、いくつかの条件が連動して回っているかどうかで決まります。
まず、腸を刺激できるだけの「便の材料」があること。(以下で詳しく)材料が少なければ、腸は動き出すきっかけをつかめません。
次に、その便に十分な「水分」が含まれていること。(以下で詳しく)水分が不足すると、便は固くなり、動きにくくなります。
そして、腸そのものが動ける状態であること。緊張しているとき、腸の動きは鈍くなります。
最後に、出したいときに我慢せず「出せること」。我慢すればするほど、便はさらに水分を失い、固くなります。
この流れのどこかが止まったときに、便秘は起こります。
だから、好き嫌いが多いことだけが原因ではありません。
どこで止まっているのかを見ることが、整える第一歩になります。

便の量をつくる ―― 不溶性食物繊維の役割
便は、ある程度の量がないと腸を刺激できません。
ここで働くのが「不溶性食物繊維」です。
不溶性食物繊維は水を吸ってふくらみます。そのふくらみが腸の壁を押し、「動け」という刺激になります。
代表例は、
- さつまいも(「さつまいも」は、市販の冷凍干し芋や、スーパーの焼き芋でもOKです。)
- きのこ類
- 豆類
- 玄米
もし野菜を食べなくても、きのこが好きなら、それは立派な材料になります。
大事なのは、「野菜を食べない」ことを責めることではなく、腸が動くための材料が足りているかを見ることです。
便をやわらかく保つ ―― 水溶性食物繊維の役割
便が固くなる最大の理由は、水分不足です。
水溶性食物繊維は、水に溶けてゲル状になります。その性質が便の水分を保ち、やわらかさを保ちます。
例えば、
- バナナ
- りんご(皮ごと)
- オートミール
- 海藻類
ピーマンが食べられないことより、今食べられるものをどう使うかを考えてみましょう。
便がどうやって作られ、どうやって止まるのかが見えてくると、「何を食べさせるか」ではなく、「何が足りていないか」を考えられるようになります。
腸の「動き」――菌と短鎖脂肪酸
腸の中には腸内菌がいます。
腸内菌は食物繊維を分解し、「短鎖脂肪酸」という物質をつくります。この短鎖脂肪酸が、腸の動きを促すスイッチになります。
食物繊維は「便の材料」だけではなく、「腸を動かす燃料」でもあるのです。
だから、きのこや豆のように食物繊維を含む食材は、便の材料であると同時に、腸を動かす手助けにもなるのです。
我慢が便秘を固定する
子どもの便秘で強く影響するのが「我慢」です。
便が腸にとどまる時間が長くなると、水分が抜けて固くなります。固い便は痛みを伴いやすく、その痛みが「また痛いかもしれない」という怖さにつながります。
その結果、トイレを我慢するようになります。
我慢すれば、さらに便は固くなる。
こうして、痛みと我慢の循環ができあがってしまいます。
反対に一度でもやわらかい便が出れば、「痛くなかった」という経験が残ります。
まずは一度、やわらかく出せる状態をつくりましょう。
好き嫌いが多い子は、どこから整える?
わが子に好き嫌いが多いと、「これもダメ、あれもダメ」と、つい思ってしまいます。
その子が食べられるものの中に、便をつくる材料はあります。
バナナかもしれない。
きのこかもしれない。
豆かもしれない。どれか一つでいいのです。
その子が食べられるものの中に、材料は見つかります。

食卓の空気も、腸の動きに関係する
腸は自律神経の影響を強く受けます。
緊張しているとき(交感神経優位)は、腸の動きは鈍くなります。リラックスしているとき(副交感神経優位)に、腸は動きます。
食べさせようとする力が強くなるほど、食卓は緊張しやすくなります。その緊張が抜けたときに、腸は本来の動きを取り戻します。
だから、「もういらない」という言葉を、いったん受け止めてみる。それは甘やかしではなく、体の仕組みに沿った選択です。
まとめ|答えではなく「軸」を持つ
100人いれば、100通りです。
だから、「これを食べれば治る」とは言えません。
でも、便がどうやって出るのかという仕組みは、どの子にも共通しています。
腸を刺激できるだけの材料があり、水分が保たれ、腸が動ける状態にあり、
出したいときに我慢しないこと。
この流れがそろったとき、便は動きます。
好き嫌いは、行き止まりではありません。仕組みが見えれば、選び方は変わります。
今日できることを、ひとつだけ。
その子が食べられるものを書き出してみることです。その中に、腸が動くきっかけになるものがないかを見てみてください。
※関連記事
便秘について、もう少し全体を整理したい方は、こちらの記事にまとめています。
食事の中で整えるのが難しいと感じる日もあると思います。
そのときのための補助として、私がひとつの基準で選んだものを、別の記事にまとめています。

