玄米の食物繊維と便秘|合う人とかえって張る人の違い

便秘

便秘にいいと聞いて玄米を始めてみたのに、なんだかお腹が張る。すっきりするどころか、かえって苦しい気がする。そんな経験はありませんか。

あるいは、これから玄米を取り入れてみようか迷っているところかもしれません。「食物繊維が多いから便秘にいい」とよく聞くけれど、本当のところはどうでしょうか。

結論から言うと、玄米は食物繊維を多く含み、その中心は不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は便のかさを増やす一方、便が出にくい状態のまま急に増やすと、お腹の張りを感じる人もいます。この特徴が、玄米が合う人と、かえってお腹が張ってしまう人を分けています。

この記事では、玄米の食物繊維の特徴から、玄米を取り入れやすい人、慎重に試したい人を見分けて、無理のない取り入れ方までを、ひとつずつ整理していきます。


玄米の食物繊維は「不溶性」が中心

玄米の食物繊維は「不溶性」が中心

まず、玄米の食物繊維がどういうものかを整理します。

玄米は、白米では取り除かれてしまうぬか層や胚芽を残しているため、精白米よりも食物繊維を多く含みます。生の米100gあたりでは、玄米の食物繊維が3.0g、精白米が0.5gと文部科学省の食品成分データベースに示されています。

ここで大事なのが、食物繊維には2つの種類があるということです。

ひとつは水溶性食物繊維。水に溶けて、便の水分保持に関わったり、腸内細菌のエサになったりします。もうひとつは不溶性食物繊維。水に溶けにくく、便のかさを増やす方向に働きます(厚生労働省 e-ヘルスネット)。

そして、玄米に含まれる食物繊維は、その多くが不溶性です。つまり玄米を食べると、便のかさを増やす方向に働きやすい、ということになります。

この「不溶性が中心」という特徴が、次に説明する「合う人」と「かえって張る人」の違いにつながります。食物繊維の種類について、もう少し詳しく知りたい方は、便秘にいい食物繊維はどっち?水溶性・不溶性の違いと自分に合う選び方もあわせて読んでみてください。


玄米が合う人と、かえって張りやすい人の違い

玄米の食物繊維が不溶性中心であることは、便秘のタイプによって、いい方向にも、つらい方向にも働きます。

不溶性食物繊維は、便の量を増やす方向に働きます。この働きが便通の助けになる人もいますが、すでにコロコロした硬い便が続いていたり、お腹が張っていたりする場合は、玄米を急に増やすとかえって苦しく感じることがあります。

これは「玄米が悪い」という話ではなく、今の自分の便秘の状態と、玄米の働きが合っているかどうかの問題です。

なお、玄米でお腹が張るからといって、すぐに「体質に合わない」と決まるわけではありません。急に量を増やしたときや、水分が足りないときにも張りやすくなることがあります。

玄米を取り入れやすいのは、こんな場合

  • 普段の食事で食物繊維が少なめだと感じる人
  • 便が極端に硬いわけではない人
  • 玄米を食べても、張りや痛みが出ない人

玄米を増やす前に、様子を見たい場合

  • コロコロした硬い便が続いている人
  • お腹が張って苦しいと感じやすい人
  • 便意はあるのに、出しきれない感じがある人
  • 食物繊維を増やすと、かえってつらくなった経験がある人

後者に当てはまる場合は、玄米を一気に増やすより、少量から試して様子を見るほうが安心です。自分の便秘がどのタイプに近いか整理したい方は、便秘のタイプ別セルフチェックで確認できます。硬い便が続いている方は、コロコロ便が続くのはなぜ?もあわせてどうぞ。


玄米を無理なく取り入れる4つの方法

玄米を試すなら、いくつか気をつけると、お腹の負担を減らしやすくなります。

① いきなり全部を玄米にしない

最初から毎食を玄米に切り替えると、お腹がびっくりすることがあります。白米に混ぜて炊く、一日一食だけ玄米にするなど、少しずつ慣らしていくのがおすすめです。

② 水分を一緒にとる

不溶性食物繊維は、水分と一緒に働きます。食物繊維を増やすときに水分が少ないと、便が硬く感じられることがあるので、玄米を食べるときは水分も意識してとってみてください。

③ よく噛んで食べる

玄米は白米より粒の食感が残りやすいため、よく噛んで食べると食べやすくなります。

④ しっかり浸水させて、やわらかく炊く

硬く炊き上がった玄米は食べにくく、よく噛まずに飲み込みやすくなります。しっかり浸水させて、やわらかく炊くと、食べやすくなります。


炊く手間や硬い食感が気になるときの選択肢

ここまで読んで、「玄米は試したいけれど、炊くのが大変そう」「硬くて食べにくいのが続かない理由だった」と感じた方もいるかもしれません。

玄米は、浸水に時間がかかったり、炊き方によっては硬くなったりして、続けにくいという声がよくあります。「自分でうまく炊けるかわからない」「まずは玄米の味や食感を確かめたい」という方には、調理済みの玄米ごはんパックも選択肢になります。

[商品名:寝かせ玄米ごはんパック(結わえる)] 圧力鍋で炊いた玄米を数日寝かせたもので、一般的な玄米とは違う、もちもちした食感が特徴です。自分で浸水や炊飯をする必要がなく、温めるだけで食べられるので、玄米を手軽に試したい方には取り入れやすい商品です。少量から試せるお試しセットもあります。

ただし、もちもちして食べやすいことと、お腹に合うことは別です。玄米そのもので張りやすい方に、必ず合うとは限りません。最初から1食分をすべて玄米に置き換えず、少量から食べて、お腹の張りや便の変化を確かめてみてください。


玄米だけを増やせばよいわけではない

ここまで玄米の話をしてきましたが、ひとつ大切なことをお伝えしておきます。

便秘の原因は、ひとつではありません。そして玄米の食物繊維は不溶性が中心なので、玄米ばかり増やすと、不溶性に偏ってしまうこともあります。便秘の状態によっては、便のかさを増やすより、便をやわらかくする水溶性食物繊維や、水分を補うほうが合う場合もあります。

玄米を増やしてもすっきりしないと感じる方は、水溶性食物繊維を補うほうが合うこともあります。水溶性食物繊維サプリの選び方で、選ぶときの目安を整理しています。食事をなかなか変えられない忙しい方は、食事を変えられない人の便秘対策もあわせてどうぞ。

玄米を増やしても変わらないときは、玄米の量だけでなく、水分やほかの食物繊維、生活リズムも一緒に見直してみてください。


こんな状態なら、医療機関に相談してください

玄米を試す前に、知っておいてほしいことがあります。次のような状態があるときは、自己流のケアより、受診を優先してください。

  • 便秘が長く続いている
  • 便に血が混じる
  • 強い腹痛がある
  • 便が急に細くなった、便通が急に変わった
  • 体重が理由なく減ってきた

ひとつでも当てはまるなら、玄米などで様子を見続けず、一度医療機関に相談してください。受診の目安については、便秘で病院に行く目安で、何科に行くか、伝え方まで整理しています。


まとめ|玄米は「合う人には」いい選択肢

玄米の食物繊維と便秘の関係について、整理してきました。

ポイントを振り返ると、

  • 玄米は精白米より食物繊維を多く含むが、その多くは「不溶性」
  • 不溶性は便のかさを増やすので、合う人もいれば、かえって張る人もいる
  • 食物繊維が少なめで、便が極端に硬くない人は、取り入れやすい
  • 硬い便が続く人、お腹が張りやすい人は、少量から様子を見る
  • 玄米だけに偏らず、水溶性食物繊維や水分とのバランスも大切

「玄米なら誰でも便秘にいい」と言い切れるものではありませんが、合う人にとっては、続けやすい選択肢のひとつです。

まずは少量から、自分のお腹の様子を見ながら、無理なく試してみてください。合わないと感じたら、続ける必要はありません。自分の体に合うものを、少しずつ見つけていきましょう。


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