こんにちは、「ナチュラルヘルスカフェ」へようこそ!
これまでの記事では、エスプレッソの歴史や文化、そしてその背景にある技術や想いについて紐解いてきました。
今回は、エスプレッソの「多様な飲み方」に焦点を当てます。
一見シンプルに見えるエスプレッソも、実はその種類は驚くほど豊富。抽出時間、豆の量、加える水やミルクの違いによって、味も香りもがらりと変わります。
この小さな一杯に宿るバリエーションを知ることで、きっとあなたも“自分に合った一杯”を見つけたくなるはずです。
ショットの違いから楽しむエスプレッソ
エスプレッソを語る上で基本となるのが「シングルショット」と「ダブルショット」です。
シングルショットは、約7gのコーヒー粉を使って30ml前後を抽出するスタイル。エスプレッソの香りやコクを、ストレートに味わうには最適な一杯です。少量ながらも一口ごとに深い余韻があり、集中したいときや短い休憩時間にぴったりです。
一方、ダブルショットは約14gの粉から60ml程度を抽出します。味わいはより濃厚で、ミルクを加えるカフェラテやカプチーノのベースにも使われます。しっかり目覚めたい朝や、ボリュームのある一杯を楽しみたい時に好まれます。
以下は、各スタイルの比較表です
種類 | 抽出量 | 味の濃さ | カフェイン量(目安) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
シングルショット | 約30ml | ★★★★☆ | 約60mg | ストレートで楽しむ基本形 |
ダブルショット | 約60ml | ★★★★★ | 約120mg | 濃厚でミルクとの相性も◎ |
リストレット | 約20ml | ★★★★★ | 約55mg | 甘みと香りが凝縮。苦味控えめ |
ルンゴ | 約80ml | ★★★☆☆ | 約80mg | 抽出長めでライトな味わい |
アメリカーノ | 約120ml | ★★☆☆☆ | 約60mg | 軽やかでドリップ風の飲みやすさ |
ロングブラック | 約120ml | ★★★☆☆ | 約60mg | クレマと香りを活かしたスタイル |

抽出量と風味のバランスで選ぶ
ショットだけでなく、抽出時間や水の量でもエスプレッソの個性は大きく変わります。
リストレット(Ristretto)
- 抽出量:約15〜20ml
- 特徴:最初に抽出される部分のみを使うことで、雑味や過剰な苦味が抑えられる。
- 向いている人:香りや甘みをしっかり感じたい人、短時間で濃い味を楽しみたい人に。
「リストレット」はイタリア語で“制限された”という意味を持ち、通常の半分ほどの量しか抽出しません。その代わり、甘みと香りが凝縮され、苦味が抑えられた、まろやかで深い味わいになります。
ルンゴ(Lungo)
- 抽出量:約60〜80ml
- 特徴:長時間抽出により、スッキリとした飲み口。やや苦味が強く出やすい。
- 向いている人:量を多めにゆっくり楽しみたい方、軽めの風味が好きな方。
対して「ルンゴ」は“長い”を意味し、抽出時間を長くして多めに抽出するスタイル。飲み口は軽く、苦味がやや際立つ傾向がありますが、たっぷり飲みたい方やライトな味を好む人に向いています。
お湯の量で変わる2つの顔
ロングブラック(Long Black)
- 作り方:お湯にエスプレッソを注ぐ
- 特徴:クレマがしっかり残る。香りと味の深みが強調される。
- 向いている人:エスプレッソの力強さを感じながら、ゆっくり味わいたい人に。
「アメリカーノ」はエスプレッソにお湯を加えて薄める飲み方で、軽やかでドリップに近い味わいが特徴です。エスプレッソの香りを残しつつも、量が多く飲みやすいため、日常使いにも向いています。
アメリカーノ(Americano)
- 作り方:エスプレッソにお湯を注ぐ
- 特徴:軽くスッキリした味わい。ドリップコーヒーに近い感覚で楽しめる。
- 向いている人:たっぷり飲みたい方や苦味の少ない風味を好む方に。
一方「ロングブラック」は、お湯の中にエスプレッソを注ぐ順番の違いでクレマ(泡)を保ち、香りや濃厚さをしっかり感じられるのがポイント。同じ材料でも順序ひとつで印象が変わる面白さがあります。

ミルクで変わる表情
エスプレッソ・マキアート(Espresso Macchiato)
- 特徴:フォームミルクを少量だけ加えた、濃厚さとまろやかさのバランスが絶妙。
- 向いている人:ブラックは強すぎるけれど、ミルクたっぷりは重いと感じる方。
「エスプレッソ・マキアート」は、フォームミルクをちょんと乗せた一杯。「マキアート」はイタリア語で“染み”を意味し、濃厚なエスプレッソにミルクのまろやかさがほんの少し加わる、バランスの妙を楽しめます。
エスプレッソ・コンパナ(Espresso Con Panna)
- 特徴:ホイップクリームの甘みとエスプレッソの苦味が絶妙に調和。
- 向いている人:スイーツ感覚でコーヒーを楽しみたい方。
「エスプレッソ・コンパナ」はホイップクリームを乗せた甘いスタイル。デザートのように楽しめるため、午後のご褒美タイムや甘いものが欲しいときにぴったりです。
人気カフェドリンクの定番たち
カフェラテ(Caffè Latte)
- 特徴:ミルクが多めでまろやか。苦味が少なく、親しみやすい味わい。
- 向いている人:優しい口当たりのコーヒーを朝に飲みたい方に。
「カフェラテ」はダブルショットのエスプレッソにたっぷりのスチームミルクを加えたもの。ミルクの甘みとコクがしっかりと溶け合い、やさしい飲み口が朝のひとときを包み込みます。
カプチーノ(Cappuccino)
- 特徴:泡の層がしっかり。口当たりが軽やかで、濃厚なエスプレッソと好相性。
- 向いている人:午後のひとときにカフェ気分を楽しみたい方に。
「カプチーノ」はスチームミルクとフォームミルクをバランスよく加えた、3層仕立ての一杯。口にふわっと広がる泡のなめらかさが印象的で、食後やブレイクタイムにも人気です。
海外発の個性派スタイル
フラットホワイト(Flat White)
- 特徴:ミルクの層が薄く、エスプレッソの味が際立つ。
- 向いている人:ミルクを控えめに、コーヒー感をしっかり楽しみたい方。
「フラットホワイト」はオーストラリアやニュージーランドで生まれたスタイル。ミルクの量はカフェラテよりも少なめで、エスプレッソの存在感がしっかり残ります。きめ細やかなミルクの質感が特徴で、滑らかな口当たりにこだわる人に人気です。
カフェモカ(Caffè Mocha)
- 特徴:チョコの甘みとコーヒーの苦味が絶妙に調和。
- 向いている人:コーヒー初心者や甘い飲み物が好きな方に。
「カフェモカ」は、エスプレッソにチョコレートシロップとミルクを合わせたデザートのような一杯。仕上げにホイップクリームをのせることも多く、甘さとコーヒーのほろ苦さが絶妙なバランスを奏でます。
まとめ:自分だけの“定番の一杯”を見つけよう
エスプレッソのさまざまなスタイルについて、ショットの量や抽出時間、ミルクやチョコレートとの組み合わせなどによる違いを紹介しました。
ストレートで味わうシングルショットやリストレット、ミルクでまろやかさを加えたカフェラテやカプチーノ、さらにはデザート感覚のモカまで、エスプレッソはその飲み方によって印象が大きく変わります。
どれが一番というわけではなく、自分の好みや気分に合わせて楽しめるのが、エスプレッソの魅力です。気分や体調、シーンに合わせて、ぜひいろいろなスタイルを試しながら、自分だけの“定番の一杯”を見つけてみてください。
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